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上村裏日誌

2013/03/05 Tue

原画展情報その3〜河村康輔

今月19日から神楽坂artdishで開催の上村一夫原画展「花の輪廻」。
昨日ブログに書いた久世さんに捧ぐ一枚のこと。
生々しい筆跡、強い色彩、妖しい目線。ヤニで汚れた額も当時のまま。
そこには久世光彦と上村一夫のいた時代が強烈に漂っています。
まるでふたりの創作のせめぎ合い。 ひょっとしたら贈り物などではなく、果たし状だったのかもしれません。

ようやく神楽坂でお披露目の機会を得たこの一枚。でも、この強烈な絵を当時のまま飾るだけでは何かバランスが悪いような気がしてきました。強烈な時代の匂いがするからこそ、何か今の人と絡めたい。絡めるべきなのではないか、と。それによって何かまた生まれてくるような。

そこで登場したのが河村康輔さん。彼とは確か去年の1月、下北沢THREEでキングジョーを通して知り合ったと思います。その時はコラージュアーティストと聞いて、なにやらカッコいいことをしている人、とイメージを固めてしまったのですが、その後、BEAMSでの展示を観たり、「ERECT Magazine」や「2ND」眺めたりしているうちにコラージュの面白さが見えてきて、その後も、大友克洋さんのGENGA展でのメインビジュアル担当されたり、根本敬さんのCDジャケット手掛けたり、SHOHEIとのコラボやら、とにかくもう多岐に渡り面白い仕事をしている。極めつけは、去年11月のアップリンクでの展示とライブコラージュ。コラージュという仕事の現場と、過去の作品を惜しげもなく公開した一日限りの展示に興奮して、その場でくどきました。デザイナーっていうとちょっとめんどくさい感じもありますが、彼は全然違う。拍子抜けするほど気さく。その姿勢が引きの強さになってるのかもしれません。彼の瞬発力と確かな腕に惚れ込み、初めて父の作品を託しました。これは本当に楽しみです。

その後も河村康輔という人を観察し続けているのですが、いまだに謎。たぶん展示の準備日には、久世・上村の時代の風を吹っ飛ばすような作品を携えて飄々とやってくるに違いありません。そのことを思うとゾクゾクするのであまり考えないようにしています。
河村康輔による上村一夫ニューワールド。どうぞお楽しみに。

河村康輔

1979年広島県生。東京在住。グラフィック・ド・ザイナー、特殊デザイナー他プラス・ワン、コラージュ・アー
ティスト。
06年、根本敬氏個展『根本敬ほか/入選!ほがらかな毎日』入選。アパレルブランド、「VANDALIZE」Tシャツコラボレーション、「NADA.」の
グラフィック。様々なライブ、イベント等のフライヤーを手掛ける。季刊誌「TRASH-UP!」に根本敬氏と共作で
実験アート漫画「ソレイユ・ディシプリン」を連載中。07年よりシルクスクリーンの版を使った作品、ライブシルク・プリント、貨幣価値に焦点を当てた作品
を制作開始。今まで様々な場所でコンセプトを重視した展示を行う。また、Winston Smith、KING
JOE、SHOHEI等と共作、美術館、ギャラリー等で個展、グループ展に参加。2011年、Winston
Smithとのコラボレーション作品集「22Idols」を発売。サンフランシスコでの個展「TOKYO POP!!」を開催する。
代表的な仕事に、「大友克洋GENGA展」メイン・ビジュアル、「Kenneth
Anger マジック・ランタン・サイクル」/「SRL」DVD/「原爆スター階段」(UPLINK)デザイン、根本敬「亀の頭のスープ」カラーリング
(青林工藝舎)、山田花子「改訂版 魂のアソコ」装丁/デザイン(青林工藝舎)、中原昌也「子猫が読む乱暴者日記」「待望の短篇は忘却の彼方に」装丁(共
に河出文庫)、宇川直宏/白根ゆたんぽ/弓田ヒロ、共著「RANGOON RADIO」デザイン(東京キララ社)、「ERECT
Magazine」アート・ディレクション/デザイン、「TRASH MOUNTAIN VIDEO」
DVDデザイン(EPCOTT)、地引雄一「STREET KINGDOM」(K&Bパブリッシャーズ)「TOKYO STREET
ROCKERS 1978-1981」(リトルモア)装丁/デザイン、等がある。
ブックデザイン、DVD・CDジャケットデザイン、広告、アパレル、イベント企画、その他無差別(無意識)に様々な媒体で活動。

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