夏の終わりを一度感じてしまうと、ふたたび暑さを取り戻しても寂しさをぬぐえない。
オトコとオンナのお話みたいデスネ。
今日は印刷所から「昭和一代女」の原稿が戻ってくる。
原稿が届くまでの間、書庫をウロウロ。
原稿は年代順にしようか、などと考えたり。
ふと、「ひょうたん」を読んでみよう、と思いつく。
先日お会いした筧さんに「あれは 後期の作品のなかではなかなか」とお聞きしたので。
毎号読みきりで、主人公の漂子さんの飄々とした感じは可愛らしいけれど、
ちょっと目が離れた顔がいまひとつ物足りない。
やはり上村作品にとって女の顔は命だ、と思う。
父の仕事をするようになって、いままで読むことのなかった作品を読むようになり、
作品ごとに違う女たちのキャラクターに引き込まれた。
よくぞここまで女を掘り下げたものだ、と父娘の関係を抜きにして感心する今日この頃。
いつかこの上村一夫が描いた女たちを一同に集めた場所を作りたいものだ。