その気の遠くなるような作業はひたすら続き、きっと私が眠っている間も原稿は進んでいたに違いない。初めて第一稿を見せてもらったとき、あぁもういいかな、と思うほど満足してしまった。すでにゴールしてしまったような。ただ先は長いと予感した。でも、ここまで丁寧に仕上げてくれるなら待とうと思った。そして、2010年11月某日、ムックの巻末に載せる座談会を開いた。私も家族代表で参加させていただいたのだが、生前の父と親交の深かった方のお話を聞くことで、私が知らない父の外の顔を知ることができ、さらに父を掘り下げる作業がおもしろくなってくる。本当は2010年の秋に発売しようと思っていた為、発売記念の原画展を何本か入れてしまったが、それはそれでいいのだと思え、気がつけば年を越していた。作業は終盤へと向かうが、そこからがまた大変とは知る由もない2011年松の内。つづく
2011/09/06 Tue