今月19日から神楽坂artdishで開催の上村一夫原画展「花の輪廻」。
このタイトルは、昨年まんだらけ出版から美しい印刷で甦った「悪の華」から
引用しました。美しく罪深い花の輪廻。。。
今回の展示では、現代に甦った上村一夫と岡崎英生の究極のエロスの世界をさらに
体感していただこうと思い、この「悪の華」の美しい生原稿をぎっしり飾る予定です。
ここ数年、年に何度かお声をかけていただいて様々な原画展を開催してきましたが、
ここまでエロティックな企画は初めて。
「悪の華」の復刻が大きなきっかけになったのですが、実はその少し前に予兆のような
ことがありました。
それは2011年9月のこと、映画監督のKさんのところに上村一夫の絵があるから引き取らないか、と連絡がありました。その電話の主は演出家・久世光彦さんの元会社の方。Kさんが上村ファンと知って連絡をしてくださったそうです。 早速引き取りに行ってくださった
Kさんが目にしたのは、それはそれは凄まじい上村画。たぶん当時、可愛がってくれていた久世さんに父が贈った一枚と思われ、久世さん亡き後、事務所にひっそりと眠っていたようなのです。Kさんは、すぐに私に連絡をしてくださり、そのように巡り巡ってきた絵を家族に返してくれると仰います。Kさんならきっと大切にしてくださると思ったので、持っていていただいてもよかったのですが、お返しくださると固辞されるので、ありがたく引き取りにいったところ、確かにこれは。。。と納得。凄まじい妖気が出ておりました。色の使い方、生々しい筆跡、これは久世光彦に捧げるべくして捧げた一枚だな、と思いました。あまりの迫力に、とりあえず家の書庫に収納。しばらく寝かしていたのですが、常に頭の片隅にその絵はあって、久世光彦と上村一夫の名の下にいつか公開しなくては、と思っておりました。
そして「悪の華」からの神楽坂artdish、これはもうぴったりの企画と思い、artdishの
オーナーに相談したところ、ご快諾いただきまして今回ご披露する運びとなりました。
久世さん、一夫さん、公開してもいいよね?
これがその一枚。たぶん「悪魔のようなあいつ」の頃でしょうか。この頃、悪魔と女の絡みたくさん描いてましたから。とにかくすごい妖気なので、是非生を観にいらしてください。
上村一夫原画展「花の輪廻」@神楽坂artdish
2013年3月19日(火)~4月21日(日) 15:00~22:00(月曜休)
神楽坂artdish
東京都新宿区矢来町107番地 TEL:03-3269-7289
http://www.artdish.co.jp/g