3月2日は久世光彦さんの命日です。
七回忌となる昨日は、六本木STBにて久世さんを偲ぶ会が開かれ、
僭越ながら参加させていただくことに。
七回忌といっても、とても華やかな雰囲気がなんだかよかった。
まずは朋子夫人にご挨拶。相変わらずキリリと美しい憧れの人。
席に案内されると正面に太郎くんがいて一安心。太郎くんの両隣は美空ひばりさんのご子息、なかにし礼さんご子息とすごい並びだ。
ほどなくして照明が落ち、久世さんの著書「マイラストソング」から浜田真理子さんの歌とピアノ、小泉今日子さんの朗読で構成されたステージが始まる。
浜田さんが奏でた最初のメロディは…….「港が見える丘」だった。
もうしょっぱなから涙があふれて止まらくなってしまった。
久世さんがいかに父をおもしろがり、一緒に時を過ごし、年下だった父の死を悲しんでくれたか、そんなことが一気に頭を巡り、泣いた。
小泉さんが朗読する久世さんの文章、「上村一夫は…」という くだりはとてもやさしく、文字とはまた違った響きがあり、沁みた。
まさか冒頭で父のことが語られるとは思ってもみなかったので動揺したが、久世さんの演出にまんまとひっかかった感じがして少し嬉しかった。
こんな素晴らしい七回忌もあるのだと思った。
いかに久世さんが多くの人に愛されていたかを知ることができた夜だった。
帰りに文庫になっていた「ベスト・オブ・マイ・ラスト・ソング」を購入。
「あなたは最後に何を聴きたいか」をテーマにした久世さんのエッセイ。誰かにプレゼントしたい気分になった。
すっかり緊張のほぐれた帰り道、お世話になっているK社長に引率され、
太郎くんとなかにしさんと久しぶりに六本木の夜。
大きな器のK社長にあれやこれやお話を聞いていただいたり、同じような境遇のご子息達と語り合い、あらためて背負った使命に燃える。この先なにができるかわからないけれど、今日みたいな素敵な形で父の遺作を繋いでいかねば、と思った。