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上村裏日誌

2023/08/18 Fri

S’YTE×上村一夫

コラボレーションの依頼があった場合、まずは『同棲時代』『修羅雪姫』をきっかけにお話が

始まることが多いのですが、その他の資料をお見せしたところから、創る人のイマジネーションは

どんどん広がり、最終的にこちらが予想できないものを見せつけられることになります。

とてもドキドキワクワクする瞬間です。

今回もとても贅沢なコラボレーションが実現しました。

上村一夫という漫画家、絵師、絵描きに焦点を当ててくださり、本当にありがとうございました。

特に、上村一夫の絶筆である『幻の一枚絵』のシリーズを取り上げてくださったことに

驚きと喜びが込み上げました。

このシリーズは、上村一夫が亡くなる一年前の1985年頃にプライベートで描いていたものです。

多忙を極めた70年代が過ぎ、80年代に突入すると漫画界の風向きも代わり始めました。

仕事をペースダウンし、ようやく時間に余裕ができた頃、

仕事ではない自分のための絵を描き始めたのがこの一枚絵のシリーズです。

もしかしたら個展を開くつもりだったのかもしれません。

A2サイズくらいの画用紙に描かれた30枚ほどのイラストは、

残念ながらほとんどが未完成で、デッサンで終わっているものも多く、

着色してあるものはごく一部です。

上村一夫の亡き後、この絵を初めて目にした時、上村一夫の集大成を見たような気がして震えました。

しばらくどうしていいのかわからず、箱に入れたまま放置してしまうほど、恐ろしく美しい絵でした。

ようやく2008年になって公開の機会があり、神楽坂のギャラリーで『幻の一枚絵』原画展を開きました。

神楽坂は上村一夫が漫画家になりたての頃、初めて事務所を構えた地です。

小さな空間でしたが、多くの方にお越しいただき、また、その一枚絵を収録した画集も発売することができました。

時を経て、再びこのような形で再現していただけるとは…上村一夫も想像できなかったことでしょう。

S’YTEの服の素晴らしさを、是非お手に取って感じていただきたいと思っています。

 

このようなデッサンで終わっていた一枚絵が…

こんなに素敵なお洋服になりました。

これは『薔薇渡世』(1984年)の扉絵です。

 

こちらのジャガードのセットアップは、一枚絵、同棲時代、修羅雪姫、薔薇渡世、浮世絵シリーズ(スポニチ連載)などに描かれた様々な美女画が贅沢に編み込まれています。

これはペーパープリントという技術だそうです。和紙を重ねたような不思議な風合いです。

バッグやネクタイといった小物も嬉しい!

 

photograph:JUN YASUI @eightpeace
hair&makeup:MAKOTO @juice&juicy
styling:Takashi Mizukuchi
mode:Ryosuke Nagaoka @Wanpakusha K.K.

 

S’YTE 【THE SHOP】

VISUAL LOOK

 

 

 

 

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