1月11日は上村一夫の命日です。
今年も横須賀墓参り。
例年より穏やかな日差し。
お墓は小高い丘の上にあります。
祖父が懇意にしていた住職が眺めの良いこの場所を選んでくれたとか。
加齢とともにしんどくなる階段をひたすら登って墓前まで。
辿り着いたお墓の前で振り返れば父の十八番だった「港が見える丘」を思い出すような景色が広がります。
仏花はカサブランカと千両で和洋折衷。
上村家が賑やかだった頃、華やかな叔母達がいつも大きな百合を携えて来たことがいまだに記憶に鮮明で、つい買ってしまいます。
お墓の植木が少し大きくなっていたので持ってきた鋏で剪定も。
杉のようなこの植木、油断すると巨大なアフロのようになり、隣のお墓にまで枝を伸ばしてしまうので要注意なのです。
人気のない山の墓地。空からはトンビの鳴き声。
ゆっくりとした時間を楽しみながらの墓参りです。
帰りは大好きな戦艦三笠を眺めに新港ふ頭へ。
普段東京に引きこもっている自分が唯一眺める海。
戦艦三笠。中央の像は東郷平八郎元帥です。
ちなみに、これは1982年にWeekly漫画アクションの「私の故郷」シリーズに上村一夫が描き下ろしたもの。
よーく見ると東郷元帥像の足元に人形のような子供が描いてあります。
どうやらこれは姉二人に女物の着物を着せられた五歳の上村一夫のようです。
晩年の上村一夫からは想像もできませんが、昔は丸顔のパッチリお目目の可愛い子供だったとか。
その後、戦争が始まり、千葉県の八日市場へ疎開した父。
最初の原風景はこの港町だったのかもしれないと思いを馳せる横須賀の一日でした。