11月3日の休日、安曇野という美しい土地で開催された竹久夢二展「夢二の夢 そして恋」記念イベントに参加してきました。
今日ここに、竹久夢二と上村一夫のイベントの為に多くの方が集まってくださるという幸せ。父に、出演者の皆さんに、関わってくださったスタッフの皆さんに、そして興味を抱いて集まってくださったお客様に心から感謝を。
そんな抑えきれない気持ちを自然体で和ませてくれた人、歌のゲスト三輪二郎さん。
雄々しい北アルプスが意外にも(?)似合っていました。
私がなにより嬉しかったのは、スペシャルゲストとして上村作品に多くの名作を残して
くださった原作者の岡崎英生さんが駆けつけてくださったこと。
実はトークのお話が来た時に、夢二を題材にした作品「夢二 ゆめのまたゆめ」を
お書きになった岡崎さんにお話を伺えればと思いお手紙を書いた際、偶然にも安曇野に
畑を持っていらっしゃるとお聞きしました。まさか、ひょっとしたら、と思っていたら
本当に来てくださることになったのです。感動。これはもう父の導きとしか思えません。
岡崎さんと安曇野で再会できた喜びたるや、うまく書き記せないほどです。
お会いしてすぐ「これは私が育てた去年のラベンダーです」とおっしゃって一輪のラベンダーをくだった岡崎さん。 素敵すぎます。本当に「悪の華」の原作者なのでしょうか…
開演まで控え室で岡崎さんとお話を。同じ部屋にいた三輪さんは岡崎さんの素敵な
佇まいに興味津々。そんな出会いもおもしろいな、と思いました。
開演時間が近づいてお客様も続々と。場所は美術館の敷地内にある創造館という小ホール。
当日のプログラムは、古澤侑峯先生による創作地歌舞「待てど暮らせど」
続いて美術館の新美館長と私のトーク、そして三輪二郎さんのライブ、
最後に山崎ハコさん・安田裕美さんのライブでした。
地歌舞を拝見するのは初めてでしたが、びっくりしてしまうほどゆっくりした動き
なんですね。それをずっと観ていると失くした何かが見えてくるというか、なんとも
不思議な気持ちに。夢二の世界を舞で表現する侑峯先生。
続いて、トークのコーナー。館長の新美さんと岡崎さん、私で30分ほど上村一夫の
話しをさせていただきました。館長と岡崎さんの夢二と上村論を聞きながら、
岡崎さんに来ていただいて本当によかった、と思う私。
あっという間にトークの時間が終了し、長野初見参の三輪二郎さんのライブ。
素朴で繊細な彼の歌が安曇野の皆さんにどう受け止められるのか、興味津々でした。
そして大トリ、山崎ハコさんと安田裕美さんの登場です。
場内に自然と期待と緊張が広がるのがわかりました。さすがです。
前日ハコさんから「流れ酔い唄」を演ってくださると聞いていたので、あえてリハは
拝見せずドキドキしながら本番を迎えました。
「織江の唄」、「ヨコハマ」と続き、ついに「流れ酔い唄」に。
父にレコードジャケットを頼むことになった経緯には胸が熱くなりました。
本当にいつも歌い手としての凄さを感じさせてくれるハコさん。
そんな素晴らしい女性と父を通じて縁(えにし)で結ばれたことにあらためて感謝せざるを得ませんでした。
アンコールでは三輪二郎さんとの競演が実現し、「横浜ホンキートークブルース」を。
嘘みたいな光景。
侑峯先生の夢二の世界の舞に始まり、岡崎さんと壇上で父を回想できたこと、
大好きな三輪二郎さんと山崎ハコさんがこの日のために歌ってくれたこと、すべてが
夢のようで、それこそ「ゆめのまたゆめ」。どうか夢でありませんようにと願いました。
先月の神保町に続き、父を回顧する素晴らしい思い出ができました。
残念なのは、今回かぎりということ。できれば別の土地でも披露できたら…と思いました。
また素敵な回顧展ができるように精進します。