毎年1月のゾロ目は父の命日。眠い目こすって多摩川を渡る。
今年はあまり寒くない。
もう26度目の命日か。
父とはすれ違いの生活だったから思い出は薄れるばかりだけれど
残された作品と、いまでも上村作品を好きでいてくれる方々のおかげで
なんとか復刻の仕事を続けている。
最近では父の娘でなければ出会うことのなかった人達との交流に感謝の日々。
山の上の墓前にはすでに誰かが花を手向けてくれていた。
感謝そして合掌。ただただ安らかに、と祈る。
空にはとんびが優雅に舞っている。
小学生の頃。賑やかだった墓参り。
華やかな頃の上村家を思いながら、少し寂しくなってしまった横須賀の街を歩く。
人にも町にも盛衰がある。元気なうちに町を闊歩しなくては。
決意新たに三笠公園。ipodではカーネーション「やるせなく果てしなく」。
これは父が描いた戦艦三笠。(初公開)
朝食のような昼食のようなハンバーガー。横須賀で食べるハンバーガーはなんとなく
おいしい。ipodでマエケン「コーヒーブルース」か、いや、多摩川越えたら三輪二郎。
「野毛の唄」。これ最高。最近は弾き語りがいい。隠し事ばかりの国だから
せめて歌は本当の言葉を聴きたい。
キレイになればなるほどかなしいドブ板通り。
墓参りは自分と向き合うための儀式でもある。祖先と語り、自分に語り、
私のささやかな人生はかろうじて続いていく。
今年も上村一夫の漫画を復刻したい。
原画も展示したい。多くの人と喜びを共有したい。
願望は海のようにシンプルだ。