いよいよ来週29日から、京都WRIGHT商會で原画展が始まります。
今回は一階の喫茶代と観覧料あわせて¥1000なので、入場券を作りました。
上村一夫が生涯描き続けたエロスの世界、みっちり100枚お見せします。
と言いつつ、セレクトには苦戦しました。
エロスといっても表現多様、解釈も人それぞれ。
シリアスな男女のやりとりから始まるエロス、行為そのものの中に潜むエロス、エロスが過ぎ去った後のエロス、女のエロス、男のエロス、もう存在すらエロス…などなど。
あらゆる情景がエロティックに思えてきて、、、選べない!
悩んだ末、原点回帰、エロスとは情景なり、ということで、匂いと情景で選びました。
会場を埋め尽くす上村一夫の原画から「エロスのその先」を感じていただけるのではないかと思っています。
個人的に是非ご覧いただきたいと思うのは、1984年に描いていた挿絵のシリーズです。
牛次郎さんのポルノ小説の挿絵なので、ちょっとコミカルでプッて笑えるのもあります。このようなテーマでも掲げないかぎりお見せすることもないだろうなあ、という絵も多数展示します。
挿絵の他に、もちろん生原稿も。
今回のテーマを追究すべく様々な作品を見直していたところ、特に心魅かれたのが「しなの川」と「苦い旋律」。
「しなの川」のように業の強い女の生涯を描いた作品は、歳を重ねるほどに心に重く深くのしかかるようで、思わずセレクトしてしまいました。
「苦い旋律」に関しては、ふと上村一夫が書いた単行本のまえがきを思い出し、読み返したところ、性の表現に挑戦的な作家のエロス、すなわち男のエロスを感じた次第。
他にも「同棲時代」や「螢子」など。印象的なシーンを集めてみました。
生々しい生原稿は今回も必見です。
また、鈴木則文先生原作の「黄金街」から、大変淫美な扉絵を公開します。
実はこの「黄金街」の原稿、我が家に戻ってきたのがつい一昨年のこと。
明けて開いた原稿から目に飛び込んできた紫陽花と淫らな情景。
梅雨の季節に京都でお披露目すべき一枚だと思いました。
と、書ききれぬほど盛りだくさんな京都WRIGHT商會での展示です。
私は初日と二日目、最終日に在廊しますので、お気軽にお声かけてください。
最終日は上村一夫を語る会を、マロニエ堂さんの音楽とともに開催します。
上村一夫の絵をバックに、マロニエ堂さんの音楽がどのように響くのか、今からとても楽しみです。
トークのお相手はリリシズムを編集してくださった森田敏也さん。
家族の視点と研究者の視点で上村一夫を掘り下げます。
まだお席ありますので、お気軽にお申し込み下さい↓
wright.shokai@gmail.com
皆様のお越しを心よりお待ちしております。
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上村一夫「エロス百景~その先に~」
2015年5月29日(金)~6月14日(日)13:00~19:00/月曜休
*最終日はイベントのため、観覧は13:00〜15:00となります。
WRIGHT商會一階喫茶付き入場料1000円
WRIGHT商會 三条店二階ギャラリーにて
〒604-8036 京都市中京区寺町三条下ル一筋目東入ル
tel:075(211)6635 http://wright-s.com/