今回の企画展は寺山修司とマンガ家たちとのコラボレーション、そして漫画家たちを如何にして、自らのプロパガンダの旗手として取り込もうとしたかを検証する試みです。
1967年、「週刊少年マガジン」に連載をはじめた『あしたのジョー』。その名脇役・力石徹の死は、社会的現象にまで発展。マンガキャラクターの「葬 式」を執り行うという前代未聞の事態となりました。その葬式を企画し喪主を務めたのが寺山修司でした。さらに、寺山は、その後、放映されたアニメ版『あし たのジョー』の主題歌の作詩を担当。八木正夫が作曲し、尾藤イサオが歌ったオープニングテーマ「あしたのジョー」はあまりにも有名です。
一方で、「花の24年組」と称された少女漫画家、萩尾望都さん・竹宮惠子さんらとのの交流もあった寺山修司。少女マンガの変革を予見していました。寺山 は、竹宮さんの代表作である『風と木の詩』を取り上げ、「これからのコミックは、たぶん『風と木の詩』以後という呼び方で、かわってゆくことだろう」と評 しました。
そのほかに、前衛的漫画雑誌「ガロ」の作家、林静一・花輪和一らを天井棧敷のポスターに起用。上村一夫には、寺山監督映画作品『上海異人娼館』のマンガ化を依頼しました。本展で、その原画を世界初公開します。
寺山修司がコラボレーションしたマンガ家たちの作品原画や寺山修司のマンガ論などを紹介します。
また、関連イベントとして、5月の「寺山修司記念館フェスティバル2017/春」のなかで、寺山修司と親交の深かったマンガ家・竹宮惠子さんのトークショーを開催します。ご期待ください!
●会期=2017年4月4日(火)〜2017年10月1日(日)
●開館時間=9:00~17:00(入館は16:30まで)
●入館料=一般 530円(常設展入館料含む)
一般団体 430円(20名以上)
高大生100円 小中学生50円 ※土曜日は小中学生無料
●会場=寺山修司記念館エキジビットホール